有機農産(ORGANIC オーガニック)食品とは?


 化学肥料を使っていないもの? 化学肥料が少な目のもの? ポストハーベスト農薬なしのもの… 私達が手にする自然食品店で売られている商品、有機農法を行う生産者から産地直送で手に入る野菜や果物など、日本では有機農産と表示されていても、その基準ははっきりしていません。


 近年、食品に含まれる化学物質は、生活や流通、生産効率の合理的を追求する度合いと共に増え続け、人体はもちろんのこと、土壌、河川などに及ぼす影響は計り知れないものがあります。今、口にしている食品に含まれる、化学物質を少しでもなくしていき、そして、いつか本当に安全な食品を手に入れるには、生産者だけでなく、製造、流通まで含めた国内の統一基準を定める必要があるでしょう。


 アメリカにはOCIA(国際有機農作物改良協会)という団体があります。OCIAは、1985年にカナダとアメリカの農民グループが中心となって設立したものです。現在ではOCIAのメンバーは農民だけでなく、食品加工や流通業など、原材料や商品をOCIAから買っている各企業まで拡がり、最終的に消費者の手元に届くまで、食品の安全性を確保しているのです。


 OCIAの基準は、土壌肥よく度の増進や改善のため、一切の化学肥料を使用しないこと、殺虫剤、除草剤は成長期だけでなく種子や苗にも使用しないこと、加工、貯蔵過程で防腐剤や合成保存料殺菌剤を使用しないなど… 細かく基準が設けられ、この基準を守った栽培を3年以上続けたものでないと、OCIAの表示はできなという大変厳しいものです。


 1990年には、アメリカで有機農産国定基準が連邦法として制定され、1993年から実施されています。国定基準として定められたことで、不当表示など、違反者には懲役または罰金刑を科せるなど、大きな影響力を持っています。日本でも国際的に通用する本物の有機食品を供給できる体制作りが、できるだけ早く実施されることを期待したと思います。

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